見よこの無駄のないクーフィー体!
白と黒の「アハラン・ワサハラン」が見事です。
このデザインはPinterestで見つけました。
中央に薄くロゴが入っていますが、読めません。
今後は分かる限り出典の情報を書くようにします。
では早速くわしく見ていきましょう。
全体は正方形になっていて、黒枠の中に、カクカクのクーフィー体で
「ようこそ」( اهلا وسهلا )['ahlan wa-sahlan]
と書いています。
右端から始まっているのですが、後半の ( سهلا )[sahlan] は折れ曲がって最終的に上下逆さまになっています。
全体の形のために、文字の向きが自在に変わっていくところがクーフィー体の面白いところですよねー。
次は文字単位でちょっと見ていきたいと思います。
まずはアリフ ( ا )[(a)]。ただの縦棒として書かれています。長さは13マスあります。
本当は、「家族」( أهل )['ahl] のスペルとしてはハムザのついたアリフ、発音が消えない ( أ )['a] なのですがここではデザインとしてハムザは省略されています。
どんどん行きましょう。次の塊は ( هلا )[hlan] で、クーフィー体特有の形になっています。ハー ( هـ )[h-] は漢字の『日』みたいな形になっています。面白いですよね。
それからラームアリフ ( لا )[l-a]、斜め線は使えないので四角の上に音叉が乗ったみたいな形で表現されています。
クーフィー体でのラームアリフはいつもこうならざるを得なくて、でもこの形のお陰で独特の厳かな感じが出るんですよねー。
単語としては ( اهلا )['ahlan] ここまでが一区切り。そのすぐ左に1文字で ( و )[wa] があります。これは「そして」などの意味で本当によく使います。
残りの部分は ( سهلا )[sahlan]。1文字目のスィーン ( سـ )[s-] だけが下から上への縦方向に配置しています。そして、( ـهلا )[-hlan] は上下逆さまになり左から右へ向かっています。
ここで良いなと思ったのは、( اهلا )['ahlan] の [hlan] と、( سهلا )[sahlan] の [hlan] が、全く同じ形で表現されていることです。そのお陰で、互いに逆さまになって向き合うことで、安定感のある模様を作り出しています!!
見てください、高さの違う [h] と [lan] がお互いにがっちり噛み合っています。
今この文章を書いている画面でのフォントだと、語頭形のハーと語中形のハーは全然違う形ですが、同じ形になるフォントも(このクーフィー体に限らず)時々見かけます。
いやあ、きれいですね。点対称ですよ点対称。
ちなみに ( سهل )[sahl] は「平易だ」という意味だそうです。
さあ文字を見終わったのでもう一度全体を見てみましょう。見え方が変わったんじゃないですか?
最初の方でアリフの長さが13マスだと書きました。これが全体の高さになっています。横幅はどうでしょう? [hlan] が3+1+3=7(マス)、[wa] が3マスなので、アリフと隙間込みで、やはり13マス!!
必然的に、縦横の長さが等しい正方形に収まっています!
これが一番感動しましたね。
何回もマスを数えちゃいました。
線の幅と隙間の幅が等しいこのシンプルなデザイン方針で、さも当たり前であるかのように、正方形をカッチリ作っています。
うーん見事。
この四角い模様が、カッコ良く書かれた「ようこそ」( اهلا وسهلا )['ahlan wa-sahlan] に見えるようになったなら幸いです。
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